20歳のアイヌの女性と対談 11月23日に鳥取市で上映会と対談をしてきました。行楽日和の連休の日だったので、あまり人が来ないかも?と心配してたのですが、150人ほどの来場者があり嬉しかったです。対談をさせていただいた相手は、平取町で生まれ育った関根摩耶さん。20歳の大学生です。私が初めて平取に行った頃、摩耶ちゃんは9歳でした。シシリムカ文化祭で堂々とアイヌ語の口承文芸を披露していて感銘したのを覚えています。対談の時に、その時に記録したビデオを少し初公開しました。映像を見たら、自分で自然にズームしてるので、それだけ印象が強かったのだなと思い返しました。摩耶さんは、2019年春から、アイヌ語やアイヌ文化を紹介する楽しいYouTube「しとちゃんねる」を始めたり、国内外で講演したりなど、とっても活躍しています。しとちゃんねるは、短くて面白くて見やすいのでぜひ一度、見てください。(こちら)のブログの投稿では、オーストラリアで摩耶さんが喋ってる様子も紹介しています。 沢山の方に来て頂きました摩耶ちゃんと初めての対談尽力してくださった皆さんと! この上映会は、2018年に鳥取県の赤崎での上映会で出会った三谷昇さんが1年かけて企画してくださり、実現しました。偶然なのですが、三谷さんは平取町の二風谷にかなり前に行かれて、アイヌ文化保存会や二風谷アイヌ文化博物館の方とも知り合いだったそうです。地元からは、ボランティアの方々が来場者に配る資料の作成や受付などを手伝って下さいました。いつも思うのですが、このように自主的に企画してくださる上映会は本当に温かみがあって良いなぁと思います。三谷さんも前日入りした夜から歓迎会や交流会の場を設けてくださり、おかげで地元の方々とも様々な話ができて良かったです。摩耶ちゃんともゆっくり話ができました 鳥取砂丘で嬉しい再会鳥取砂丘。左奥は大山一番お世話になった三谷さんと!砂の美術館のアート崖にある三佛寺 投入堂梨の博物館。写真は直径20mの梨の巨木 三谷さんは、鳥取砂丘や期間限定展示(1月5日まで!)の砂の美術館、20世紀梨記念館・なしっこ館、断崖絶壁に建てられた三佛寺投入堂など、様々な所を案内してくださり、鳥取の魅力を知る事ができて良かったです。三谷さん、何から何まで、本当にお世話になり、ありがとうございました!
大黑座では大入り満員でした 北海道浦河町にある、大正7年創業の老舗の映画館・大黑座で上映会をしてきました。この映画館は「大黑座ベイブルース」という映画にもなっています。(予告編はこちら)こちらのテレビ番組(9分)でも紹介されているように暖かい「こたつ」のような空間で、経営者の三上さんご夫婦と三上さんのお母さんが受付で暖かく迎えてくださりました。 1日3回、上映をしていただき、どの回もたくさんの方にお越しいただきました。特に平取から4人の伝承者がゲストとして口承文芸を披露し、舞台挨拶も行われた2回目の回は満席!大黑座の三上さんから「ボヘミアンラプソディ以来の大入り!」と言っていただき、とても嬉しかったです。私は平取の方々と出会うのは1年ぶりで、みなさんお元気で、舞台挨拶も相変わらずお上手!!おかげで会場がすごく盛り上がったのが本当に嬉しかったです。今回の上映を実現するために、1年近くかけて尽力いただいた主催者の Rehe Isamの八重樫志仁さんの、「浦河町で平取町の古老達の口承文芸を生で聴く機会を作りたかった」という想いが実現できた事も本当によかったです。 北海道新聞より 劇場では、アイヌ民族文化財団から、いつもご提供いただいている「アイヌの人たちとともに」という小冊子の他、たくさんの絵本を無料提供いただきました。この絵本はなんと!ネット上でも無料で見る事ができます。ムービーにもなっているので、ぜひ、このページをチェックしてください。 財団の絵本の紹介ページこんな感じで読めます 「あぷかし(APKAS)」という地元の方が作られたクラフトも展示販売されました。このminneというサイトでもネット販売されていますので、興味があれば、覗いてみてください。手作りならではの暖かさとアイヌ文様の可愛いクラフトです。 ぱっくん(小物入れ)開くと中は可愛いふくろうさん!Apkasはアイヌ語で「歩く」の意 すべての上映が終わった後は、三上さんご夫婦と八重樫さんが、様々なお料理とお酒を映画館のロビーに持ってきてくださり、その日は、地元神社のお祭りと重なって映画を見れなかったという若者たちも一緒に、午前様まで語り、飲み明かしました。こういう暖かい気持ちになれる上映会って最高に素敵だなぁといつも思います!!八重樫さん、三上さん、そしてこの上映会の為に尽力してくださった皆様、本当にありがとうございました。
札幌・公のアイヌ文化空間「ミナパ」 9月15日に浦河町での上映会に参加する為に久しぶりに北海道に行きました。札幌からバスで行く予定だったので、今年3月にオープンした地下鉄南北線さっぽろ駅近くの「ミナパ」に立ち寄ってきました。 「minapa」は「大勢が笑う」という意味のアイヌ語です。地下鉄とJRをつなぐ通り道にあって、待ち合わせなどにピッタリの場所です。一番目立つのが、大きな大きなフクロウさん!コタンコロカムイ(村を守る神)と呼ばれ、アイヌの人にとって大事な神様です。水田から出土した樹齢400ー500年の大木をこんな素敵なアートに生まれ変わらせたのが、平取町の職人・貝澤徹さんです。伝統的な技法と現代的でクリエイティブなアイデアを組み合わせるのが得意な徹さん、シマフクロウの下に、ジッパーのジャケットをあしらっています。自由に触っても良いと書いてあったので、ハグしたくなったけど、さすがに一人で恥ずかしかったので、手で触るだけにしておきました。後で徹さんにその事を言ったら、笑われました・・・徹さんの曽祖父のウトレントクさんは、明治時代の名工として知られていた方です。また、イギリスの大英博物館のジャパンギャラリーに、徹さんの作品が展示された事でもニュースになりました。 ジッパーが現代的チェーンも一本の木から沙流川地方独特ののウロコ彫り意味「その場所を見守る尊い神様 」 他も様々なアイヌの工芸品やアートがあったり、TVモニターには、徹さんのインタビューや海外のアーティストが作ったアニメーションアート、口承文芸のアニメ、天気予報(アイヌ語で天気表示!)などなど・・・あっという間に一時間が経ってしまいました。 「ぬし」作:貝澤幸司「ぬし」作:貝澤幸司「ぬし」作:貝澤幸司「芽吹き(ケニトゥク)」作:下倉洋之「秋の風(チュkレラ)作:荒木繁「秋の風(チュkレラ)作:荒木繁「白い(レタr)作:貝澤珠美「白い(レタr)作:貝澤珠美天井もアイヌ文様でおしゃれ! 札幌に行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてくださいね!
アイヌ・フェスティバル 白老町に2020年にオープンするウポポイ(民俗共生象徴空間)のPRで、アイヌ・フェスティバルが、この秋、名古屋・東京・大阪で開催されます。アイヌの工芸品・踊り・料理など、様々な事が体験できる貴重な機会なので、ぜひ、足を運んでみてください。
平取町で国際先住民族フォーラムが行われます ウウエカラパ [u-ekarpa]集まる、集いを持つ、集合する。平取町でアイヌ文化の継承と多文化共生をテーマに、国際フォーラムが開催されます。ニュージーランド、カナダ、フィンランド、そして日本も合わせると4大陸から専門家が言語・知的財産・文化環境・そして先住民族の権利などについての専門家による発表とディスカッションが行われます。今年は、国連が定めた国際先住民族言語年です。ぜひこの機会に足をお運びください。
東京・ヒューマンライツセミナー 東京でアイヌ語と琉球語に関するセミナーが行われます。平取町出身の大学生、関根摩耶さんもパネリストの一人です。日本には日本語以外に、北にはアイヌ語、南には八重山語や与那国語など消滅の危機に瀕している言語があります。「ことばは民族の証」と、アイヌ民族で国会議員にもなられた、故・萱野茂さんは言っています。言語をマスターするのは難しいですが、ちょっとした単語でも言葉を知ると、その民族の文化に近づいた気がします。面白い発見があります。私は映画の主人公の一人の鍋澤さんの家で、よく何飲む?と聞かれる事があって、「ビール・ク(私)・ク(飲む)・ルスイ(したい)」という言葉を覚えました。その応用で、水はワッカなので「ワッカ・ク・ク・ルスイ」となります。閑話休題。この機会に、ぜひフォーラムに足を運んでみてください。
日系人の集まりでプレゼンしました 2004 年にニューヨークに来て、初めて出来たアメリカ人の友達がJAJA (Japanese American and Japanese in America)という日系人と日本人の集まりを作った3人の日系アメリカ人です。ロサンゼルス、コロラド、ニュージャージー出身の3世や4世で、全員映像制作をやってる人たちだったので、色々と話も合いました。ニューヨークには日本人街もないし、集まる所が少ないので、気軽な会を作ろうというので、3人が2004年にJAJAを始め、その後どんどんメンバーが増えて、実際に来る人は限られていますが、フェイスブックのメンバーの数は1200を超えています。毎月1回、メンバーの人の家で集まって、料理を作り、来る人も料理を持ち寄って、ワイワイ飲み食いしながら、テーマを決めてイベントをしています。日本では、私はアメリカの日系人の歴史について、ほぼ無知でした。この会に来てから、戦時中の強制収容の事、アメリカ生まれの男性たちが愛国心を示す為に入った第442連隊戦闘団の事などを知りました。 8月20日に、アイヌのプレゼンをして欲しいと言われたので、頑張って(英語で!)してきました。衣装はいつもの黄八丈の二部式にアイヌ文様が入った着物、それに合わせてわざわざ作っていただいたマタンプシ。ホームステイ先のご近所の方から頂いた世界に一つしかない衣装です。 JAJAは、平均20−30人程度の集まりですが、この日はフルハウス!ちゃんと数えてませんが、おそらく50人ほど来ていたと思います。それだけアイヌの事に関心がある人が多いという事なので、とても嬉しかったです。遠くはコネチカット州から、このイベントの為に来てくれた女性もいらっしゃいました。実際に触ったり、見たりするものがある方がインパクトもあるし、英語でたくさん喋らなくて済むので(笑)、色々持って行きました。 アイヌ民族文化財団の方が提供してくださった英語のパンフレットは25冊、日本語は手持ちが5冊しかなかったのですが、全てなくなりました!他には、私が長年ホームステイさせていただいている川奈野元子さんが私の為に作ってくださったサラニプ(シナの木の皮で作った袋)、レーザー加工のアイヌ文様のコースター、映画の主人公でもある故・鍋澤保さんから頂いたイクパスイ(捧酒箸)も、実際に皆さんに触って見ていただいました。「あの音は何?」と良く聞かれるので、ムックリ(口琴)も持って行って、私は下手ですが披露しました。実際にやってみたいというので、試される方もいらっしゃいました。あとは、個人的に持って帰ってきた平取産のお酒、その他アイヌに関する本(萱野さんが書いたAinu という本の英語版)などなど・・・ アイヌ民族文化財団発行のブックレット・アイヌの工芸大きさはこのくらいアイヌの伝統・文化を題材にした絵本(発行:財団法人アイヌ文化振興・研究機構) 平取町産・カムイ義経「カムイ」はクリエイティブな造字!萱野茂さん著 30分ほどのプレゼンでしたが、皆さん、真剣に聞いてくださいました!アイヌの事は、差別問題で注目される事が結構あるのですが、私はそれよりも文化や言葉、人々の実際の暮らしなど、面白い視点から知って欲しいという考えなので、歴史の事はブックレットを見ていただく事にして、できるだけ視覚や聴覚に訴えるプレゼンに努めました。お酒は直接アイヌ文化と関係はありませんが、Sakeはアメリカでも定着していますし、レアなお酒に皆さん興味津々で、飲めない人でさえも5ミリだけ!と言われて注いであげました。感想もいただきましたが、ほとんどが I love itでした。映画の本編を早く見たいという声もたくさん頂きました。今のところ、プレミア(初上映)が重要視される映画祭に色々と挑戦しているところです。どこかに選出されたら真っ先にウェブサイトを更新します!これからも最新情報をできるだけ載せますので、アイヌへの注目をよろしくお願いします。
東京・シドニーの上映は共に満席! 6月3日に東京の台東区、同じ週の6日にオーストラリアのシドニーで上映会が行われました。東京の上映には300人、シドニーも95人が会場に足を運んでくださり、共に満席で主催者の方にも喜んでいただきました。アイヌの事に関心を持っている人がそれだけ沢山いるという事を示していると思うので、とても嬉しいです。シドニーでは、日本人以外の方も沢山いらっしゃって、おかげさまでアンケートでも概ね好評をいただきました。上映会に行けなかったので、どうすれば映画をまた見れるか?という問い合わせもいただきました。東京の上映会では、上映後にインターネットを利用して生で質疑応答をしました。ニューヨークと日本は夏時間では13時間の差があって若干不便ですが、やはり直接会場の方と話をするのは、とても参考になります。今後、こんな情報を発信すればいいのだとか、こういう事に関心があるのだなという事がわかるからです。実際、「アイヌの事をもっと知りたいので参考になる本や映像があれば教えてください」という質問があって、色々と思い浮かびすぎて、とっさにいい答えが出てこなくて、後で、あぁこれを紹介すれば良かったと思ったりしました。今後は、このウェブサイトでも参考になる本や映像などの資料などをご紹介するページを作りたいと思っています。ページを作っている間に、ここで一つだけご紹介します。これは、いつも小冊子を提供いただいているアイヌ民族文化財団に載せてある映像で、口承文芸をわかりやすくアニメ化してあるものです。日本語訳がついたバージョンやアイヌ語のカタカナバージョンなどもあるので、一度、覗いてみてください。その中から、今日は一つだけここに貼り付けます。アニメも良くできているし、音楽も付けて演出されていて、面白いですよ。私たち現代人は、こうやって受け身で見るだけですが、文字を持たないアイヌ民族はこのような物語を、大昔に誰かが作って、口伝えで受け継ぎ、聞く人も、それぞれの頭の中でイメージを膨らませて楽しんでいたんですね。このような口承文芸の中には何日もかかる長い話もあって、「はい、続きはまた明日!」という感じで終わるので、特に子供達はワクワクしながら、続きを聞くのを楽しみにして寝床に入ったのだそうです。
「北海道」名付け親のドラマ 撮影は去年の夏、ちょうど私も平取町にいた頃でした。有名な役者さん達が主演なので、警備がピリピリでしたが、NHKのドラマ班が平取町にやってきて北海道の名付け親である松浦武四郎のドラマを制作していました。二風谷アイヌ文化博物館や萱野茂アイヌ文化資料館の敷地内にあるチセが撮影セットになったり、アイヌ語監修や儀礼儀式の所作、踊り、エキストラ出演などなど、たくさんの平取町町民や、北海道で暮らすアイヌの人々も協力しました。主演は武四郎役に松本潤さん、アイヌの女性役に深田恭子さん、自身もアイヌ民族である宇梶剛士さんもメインキャストの一人として出演しています。全国放送で7月15日午後7時30分からの放送なので、ぜひ、ご覧ください。ドラマのウェブサイトはこちらです。
平取町出身、アイヌの20歳の女性が活躍中です! オーストラリア、シドニーのジャパンファンデーションで、平取町出身の20歳の女性、関根摩耶さんが5月21日にレクチャーをしました。これは、4月12日から6月21日まで行われているLaura Liverani (ラウラ・リベラニ)さんの写真展「COEXISTENCES: PORTLATES OF TODAY’S JAPAN」の一環で、日本の様々な人々のポートレートが紹介されています。その中にアイヌの人たちも入っていて、摩耶さんや映画「Ainu |ひと」の主人公の一人、川奈野一信さんの写真も展示されているそうです。映画は、現地で6月6日に上映されます。よく私も、若いアイヌの人たちは、どんな様子なのか?どんな事を思っているのか?と聞かれます。彼女の育った環境やアイヌのアイデンティティについての話もあるので、是非、聞いてみてください。現地の講演の様子はこちら(最初は音が割れていますが、摩耶さんが喋る直前にクリアになります)https://www.facebook.com/japanfoundationsydney/videos/453141485448928 SBSという現地のメディアでインタビューもされました。(記事は英語ですが、音声は日本語インタビューです。12分) 関根摩耶さんは、映画のアイヌ語翻訳と監修をして頂いた関根健司さんと、ムックリ(口琴)を演奏して頂いた関根真紀さんの娘さんです。私は2009年にシシリムカ文化祭の発表会で、当時9歳の摩耶さんが堂々とアイヌ語で発表していたのに大変感銘を受けたのを覚えています。大学生になった摩耶さんは、アイヌ語のラジオ講師を1年務めたり、全国で初めてバスの車内で流れるの停留所案内がアイヌ語で行われることになった時に、アナウンサーに抜擢されるなど、大活躍中です。また最近、アイヌ語会話を紹介するユーチューブチャンネルも始めました。アイヌ語やアイヌ文化を自然体で紹介して、「へぇ面白いなぁ」と思わせてくれるビデオなので、ぜひチャンネル登録してみてください!