ロンドンのディスカッション|録画映像

10月15日に、イギリス・アメリカ・日本をつないで行われたパネルディスカッションの録画映像が届きました。当日はライブで約200人の参加者がありました。

英語をメインにしたいという事だったので、英語の部分も多いですが、Youtube の右下のネジの所をクリックすると日本語の自動翻訳を選択する事ができます。(変な日本語になるとは思いますが・・・)

映画制作を始めた時期は2015年と言う所を、私は2004年と間違えて言ってしまった事に録画を見て気づきました。2004年はアメリカに来た年で、コミュニティメディアに強い関心を持った時期だったので、緊張してたのか、ごっちゃになってしまったようです。

このように現地のコミュニティの人に参加いただくディスカッションはとても意味があると思うので、今後も提案していきたいと思っています。

尚、ネイティブスピリット映画祭では、映画(61分・英語字幕版)の上映期間は一週間のみだったのですが、11月15日まで延長される事になりました。リンクはこちらです。

関根摩耶さんが発信しているYoutube  チャンネルや関根真紀さんを始め二風谷の工芸家を紹介する匠の道もぜひ、ご覧ください。

10月に掲載された「アイヌ学習の今」に関する記事をご紹介します。ディスカッションにも出演いただいた関根健司さんの声や二風谷での学習の様子も書かれています。

この記事にはないですが、健司さんは「テ・アタランギ」というマオリ語の習得方法に倣い、日本語は一切使わず、アイヌ語だけで、様々な色のレゴのような物を使った方法でも教えています。私も2回ぐらい参加した事があります。

何人かで車座になって、先生が言っているアイヌ語を聞いて想像します。先生がみんな理解したな!と思った段階で、別の相手に自分の聞きたい事を伝えます。例えば「トイレに行きたいです」を「xx商店に行きたいです」とかって言う感じで・・・・南米の先住民のコミュニティに行った時は、重要な単語だけ覚えて、こんな感じで会話してたなぁと思い出したりして、面白かったです。

大阪・和泉市で4回上映しました

鳥取市での上映の1週間後に、大阪の和泉市で2日間、4回上映の機会を頂きました。

こちらも、1年前に大阪・十三のシアターセブンでの上映に来てくださったNPO法人ダッシュの吉岡さんが1年かけて準備してくださいました。

NPO法人ダッシュとは、私が大阪にいる頃に「がんばるしきじ」という識字学級の映像制作を2001年に私の師匠の田中幸夫とした事があり、和泉市に来たのは、それ以来です。

吉岡さんが上映の合間に識字教室に連れて行って下さり、昔と変わらない手作りの垂れ幕や教室内の様子を見て懐かしい気持ちになりました。

上映会には、映画音楽の作曲家、松尾泰伸さんもすべての回に参加してくださいました。

ダッシュは、アイヌ刺繍のワークショップを開くなど、以前からアイヌに関する活動が行われています。

また、マイノリティや人権に関する映画上映も定期的にされているので、来場者は、テーマに強い関心がある方が殆どで、この映画を真剣に観てくださった事が、最後の質疑応答からも伝わってきました。中には遠くは静岡や徳島から来てくださった方、既に観るのが2回目で、「毎回発見があるので3回目も観たい」と言う人もいて、胸が熱くなりました。

また上映の合間に、ダッシュのスタッフが地元ならではの美味しいお好み焼き屋、葛葉伝説で有名な稲荷神社や聖神社など、様々な場所に連れて行って下さいました。またガラス工房「邦」で、奈良時代以前より、かつての和泉国でのみ製作されてきたという、地場産業の蜻蛉玉の制作体験もしてきました。球体にするのがすごく難しい事がわかりました。でも、とっても楽しかったです。

上映の最終回の後には、ダッシュの皆さんが買い出しに走ってくださり、スタッフや来場者の皆さんと歓談できた事もとても良い思い出となりました。

初めて作ったガラス玉!

2019年の秋は、浦河町・鳥取市・和泉市の3ヶ所で、地元の方々に助けていただき、暖かい上映会が実現した事を、心から感謝しています。

そして、秋晴れの休日に来場してくださった皆様、ありがとうございました。今後も、ゆっくりペースになるかもしれませんが、アイヌに関する様々な事を発信していきたいと思っているので、これからも、よろしくお願いします。

和泉市の参加者からの感想を一部ですが、下記、ご紹介します。

○アイヌ民族についての知識がほとんどない私にとって、大変勉強になる映画でした。アイヌ語をきちんと聞いたのも初めてで新鮮でした。

○最後の方で「日陰にいてもどこにいてもアイヌはアイヌ」とおっしゃっていたこと、その言葉に哀しみが深くこめられているようでちょっと泣けました。今のアイヌの人の暮らしを見れて良かったです。サステナブルという言葉よりも身近に学べる暮らし方なのではないかと思いました。

○知らない文化、同じ国の住人でありながら、映像の中には言葉も__なども日本文化の中で見るものと同じなのに、全く知らなかったなとおどろいたことが一番印象に残っています。

違う文化を持つ人と、どう交流し、仲良くなり、引き立てあえるかということを今日の内容を見て思った。人それぞれが自分の大事とすることを分かりあおうと思うことが、いつもスタートになってくれると思った。

○文化をリスペクトすることで、ヘンケンがなくなるといいネ。

○北海道や沖縄の歴史について少し知りたくなりました。みなさんいいお顔されていましたね。

○私が小学生のとき、学校に年に1度アイヌの方が来られて話や踊り、ムックリなど見せてもらいました。3年程見た記憶があります。木彫りの作品の販売もあり楽しみに待っていました。でもいつのまにかアイヌのことは忘れていました。又思い出し考えることが出来ました。

○アイヌ文化の伝承に努力している人々のことを知りました。アイヌの人々の特殊性に目を向けるのではなく、アイヌの人々の独自性を生かしていけるような社会にしていきたいと思います。

○昔から民族学に興味があり、南米に1年程住んでいた時に知ることもあり、日本の民族はどうなんだろうとずっと思っていた。今では刺しゅうに興味もあったので、今回映画は興味深かった。

 ○映像も音楽もきれいでした。「アイヌ民族」のことは知らないので、多くの人に見てもらいたいと思いました。監督の解説や実際のお話をしてくださったのは、よくわかって近く感じました。

○世界の○○族とか、先住民族とかが好きで、その方たちの手工芸や音楽、踊りとかが好きで、参加させていただきました。

何て言ったらよいかわかりませんが、ハートの奥がふるえて感動で最後涙がでました。継承されている方には尊敬の念があふれます。

○長老の言葉が重みがあり心に残りました。学校の授業でご紹介されると広まりよいかと思いました。

○知らないことばかりでした。とても美しく良い映画でした。多くの人に知ってほしいと思いました。

○ゴールデンカムイが好きで、アイヌ文化に興味を持った。面白かったです。

20歳のアイヌの女性と対談

11月23日に鳥取市で上映会と対談をしてきました。行楽日和の連休の日だったので、あまり人が来ないかも?と心配してたのですが、150人ほどの来場者があり嬉しかったです。

対談をさせていただいた相手は、平取町で生まれ育った関根摩耶さん。20歳の大学生です。私が初めて平取に行った頃、摩耶ちゃんは9歳でした。シシリムカ文化祭で堂々とアイヌ語の口承文芸を披露していて感銘したのを覚えています。対談の時に、その時に記録したビデオを少し初公開しました。映像を見たら、自分で自然にズームしてるので、それだけ印象が強かったのだなと思い返しました。

摩耶さんは、2019年春から、アイヌ語やアイヌ文化を紹介する楽しいYouTube「しとちゃんねる」を始めたり、国内外で講演したりなど、とっても活躍しています。しとちゃんねるは、短くて面白くて見やすいのでぜひ一度、見てください。(こちら)のブログの投稿では、オーストラリアで摩耶さんが喋ってる様子も紹介しています。

この上映会は、2018年に鳥取県の赤崎での上映会で出会った三谷昇さんが1年かけて企画してくださり、実現しました。偶然なのですが、三谷さんは平取町の二風谷にかなり前に行かれて、アイヌ文化保存会や二風谷アイヌ文化博物館の方とも知り合いだったそうです。

地元からは、ボランティアの方々が来場者に配る資料の作成や受付などを手伝って下さいました。いつも思うのですが、このように自主的に企画してくださる上映会は本当に温かみがあって良いなぁと思います。

三谷さんも前日入りした夜から歓迎会や交流会の場を設けてくださり、おかげで地元の方々とも様々な話ができて良かったです。摩耶ちゃんともゆっくり話ができました

三谷さんは、鳥取砂丘や期間限定展示(1月5日まで!)の砂の美術館20世紀梨記念館・なしっこ館、断崖絶壁に建てられた三佛寺投入堂など、様々な所を案内してくださり、鳥取の魅力を知る事ができて良かったです。三谷さん、何から何まで、本当にお世話になり、ありがとうございました!

大黑座では大入り満員でした

北海道浦河町にある、大正7年創業の老舗の映画館・大黑座で上映会をしてきました。

この映画館は「大黑座ベイブルース」という映画にもなっています。(予告編はこちらこちらのテレビ番組(9分)でも紹介されているように暖かい「こたつ」のような空間で、経営者の三上さんご夫婦と三上さんのお母さんが受付で暖かく迎えてくださりました。

1日3回、上映をしていただき、どの回もたくさんの方にお越しいただきました。

特に平取から4人の伝承者がゲストとして口承文芸を披露し、舞台挨拶も行われた2回目の回は満席!大黑座の三上さんから「ボヘミアンラプソディ以来の大入り!」と言っていただき、とても嬉しかったです。

私は平取の方々と出会うのは1年ぶりで、みなさんお元気で、舞台挨拶も相変わらずお上手!!おかげで会場がすごく盛り上がったのが本当に嬉しかったです。今回の上映を実現するために、1年近くかけて尽力いただいた主催者の Rehe Isamの八重樫志仁さんの、「浦河町で平取町の古老達の口承文芸を生で聴く機会を作りたかった」という想いが実現できた事も本当によかったです。

北海道新聞より

劇場では、アイヌ民族文化財団から、いつもご提供いただいている「アイヌの人たちとともに」という小冊子の他、たくさんの絵本を無料提供いただきました。この絵本はなんと!ネット上でも無料で見る事ができます。ムービーにもなっているので、ぜひ、このページをチェックしてください。

「あぷかし(APKAS)」という地元の方が作られたクラフトも展示販売されました。このminneというサイトでもネット販売されていますので、興味があれば、覗いてみてください。手作りならではの暖かさとアイヌ文様の可愛いクラフトです。

すべての上映が終わった後は、三上さんご夫婦と八重樫さんが、様々なお料理とお酒を映画館のロビーに持ってきてくださり、その日は、地元神社のお祭りと重なって映画を見れなかったという若者たちも一緒に、午前様まで語り、飲み明かしました。こういう暖かい気持ちになれる上映会って最高に素敵だなぁといつも思います!!八重樫さん、三上さん、そしてこの上映会の為に尽力してくださった皆様、本当にありがとうございました。

日系人の集まりでプレゼンしました

2004 年にニューヨークに来て、初めて出来たアメリカ人の友達がJAJA (Japanese American and Japanese in America)という日系人と日本人の集まりを作った3人の日系アメリカ人です。

ロサンゼルス、コロラド、ニュージャージー出身の3世や4世で、全員映像制作をやってる人たちだったので、色々と話も合いました。

ニューヨークには日本人街もないし、集まる所が少ないので、気軽な会を作ろうというので、3人が2004年にJAJAを始め、その後どんどんメンバーが増えて、実際に来る人は限られていますが、フェイスブックのメンバーの数は1200を超えています。

毎月1回、メンバーの人の家で集まって、料理を作り、来る人も料理を持ち寄って、ワイワイ飲み食いしながら、テーマを決めてイベントをしています。

日本では、私はアメリカの日系人の歴史について、ほぼ無知でした。この会に来てから、戦時中の強制収容の事、アメリカ生まれの男性たちが愛国心を示す為に入った第442連隊戦闘団の事などを知りました。

8月20日に、アイヌのプレゼンをして欲しいと言われたので、頑張って(英語で!)してきました。

衣装はいつもの黄八丈の二部式にアイヌ文様が入った着物、それに合わせてわざわざ作っていただいたマタンプ。ホームステイ先のご近所の方から頂いた世界に一つしかない衣装です。

JAJAは、平均20−30人程度の集まりですが、この日はフルハウス!ちゃんと数えてませんが、おそらく50人ほど来ていたと思います。それだけアイヌの事に関心がある人が多いという事なので、とても嬉しかったです。遠くはコネチカット州から、このイベントの為に来てくれた女性もいらっしゃいました。

実際に触ったり、見たりするものがある方がインパクトもあるし、英語でたくさん喋らなくて済むので(笑)、色々持って行きました。

アイヌ民族文化財団の方が提供してくださった英語のパンフレットは25冊、日本語は手持ちが5冊しかなかったのですが、全てなくなりました!

他には、私が長年ホームステイさせていただいている川奈野元子さんが私の為に作ってくださったサラニ(シナの木の皮で作った袋)、レーザー加工のアイヌ文様のコースター、映画の主人公でもある故・鍋澤保さんから頂いたイクパスイ(捧酒箸)も、実際に皆さんに触って見ていただいました。

「あの音は何?」と良く聞かれるので、ムックリ(口琴)も持って行って、私は下手ですが披露しました。実際にやってみたいというので、試される方もいらっしゃいました。

あとは、個人的に持って帰ってきた平取産のお酒、その他アイヌに関する本(萱野さんが書いたAinu という本の英語版)などなど・・・

30分ほどのプレゼンでしたが、皆さん、真剣に聞いてくださいました!

アイヌの事は、差別問題で注目される事が結構あるのですが、私はそれよりも文化や言葉、人々の実際の暮らしなど、面白い視点から知って欲しいという考えなので、歴史の事はブックレットを見ていただく事にして、できるだけ視覚や聴覚に訴えるプレゼンに努めました。お酒は直接アイヌ文化と関係はありませんが、Sakeはアメリカでも定着していますし、レアなお酒に皆さん興味津々で、飲めない人でさえも5ミリだけ!と言われて注いであげました。感想もいただきましたが、ほとんどが I love itでした。

映画の本編を早く見たいという声もたくさん頂きました。今のところ、プレミア(初上映)が重要視される映画祭に色々と挑戦しているところです。どこかに選出されたら真っ先にウェブサイトを更新します!これからも最新情報をできるだけ載せますので、アイヌへの注目をよろしくお願いします。

東京・シドニーの上映は共に満席!

6月3日に東京の台東区、同じ週の6日にオーストラリアのシドニーで上映会が行われました。

東京の上映には300人、シドニーも95人が会場に足を運んでくださり、共に満席で主催者の方にも喜んでいただきました。アイヌの事に関心を持っている人がそれだけ沢山いるという事を示していると思うので、とても嬉しいです。

シドニーでは、日本人以外の方も沢山いらっしゃって、おかげさまでアンケートでも概ね好評をいただきました。上映会に行けなかったので、どうすれば映画をまた見れるか?という問い合わせもいただきました。

東京の上映会では、上映後にインターネットを利用して生で質疑応答をしました。ニューヨークと日本は夏時間では13時間の差があって若干不便ですが、やはり直接会場の方と話をするのは、とても参考になります。

今後、こんな情報を発信すればいいのだとか、こういう事に関心があるのだなという事がわかるからです。実際、「アイヌの事をもっと知りたいので参考になる本や映像があれば教えてください」という質問があって、色々と思い浮かびすぎて、とっさにいい答えが出てこなくて、後で、あぁこれを紹介すれば良かったと思ったりしました。

今後は、このウェブサイトでも参考になる本や映像などの資料などをご紹介するページを作りたいと思っています。

ページを作っている間に、ここで一つだけご紹介します。これは、いつも小冊子を提供いただいているアイヌ民族文化財団に載せてある映像で、口承文芸をわかりやすくアニメ化してあるものです。日本語訳がついたバージョンやアイヌ語のカタカナバージョンなどもあるので、一度、覗いてみてください。

その中から、今日は一つだけここに貼り付けます。アニメも良くできているし、音楽も付けて演出されていて、面白いですよ。

私たち現代人は、こうやって受け身で見るだけですが、文字を持たないアイヌ民族はこのような物語を、大昔に誰かが作って、口伝えで受け継ぎ、聞く人も、それぞれの頭の中でイメージを膨らませて楽しんでいたんですね。

このような口承文芸の中には何日もかかる長い話もあって、「はい、続きはまた明日!」という感じで終わるので、特に子供達はワクワクしながら、続きを聞くのを楽しみにして寝床に入ったのだそうです。

満席御礼!札幌・追加上映決定

4月26日にシアター・キノで1回だけ、映画が特別上映されました。ご来場していただいた皆さん、ありがとうございました!萱野れい子さんと茂さんの息子さんで、二風谷アイヌ語教室の事務局長でもある志朗さんが、上映後にトークをされました。また、萱野志朗さんは、この前の日曜日に平取町の町議に初当選されました!おめでとうございます。

なんと!満席以上で劇場に入れなかった人も出たそうです。ということで、追加上映がすぐに決定しました。嬉しいです。当日、せっかく来てくださったのに入れなかった皆さん、ごめんなさい。

追加上映は5月20日(月)の夜です。具体的な時間は5月14日に決定するそうです。

劇場の担当者から届いた当日の様子を伝えるメールも、ご紹介したいと思います。

「皆さんとても楽しんでいただき、場内からは拍手がわきました。萱野志朗さんから溝口さんとの信頼があってこのような素晴らしい作品がうまれたことを誇りに思っているというようなお話が、そしてそう遠くない古老たちの人生の最後に、映画によってこれからもずっと残ってゆく財産だ、とおっしゃっていました。」

これからもよろしくお願いします。

東京上映終了|コンサート&舞&トーク

全部で約4時間!とっても濃密で豪華なイベントでした。当日、会場に行くまで、殆ど人が来なかったらどうしよう・・という不安があったのですが、100人近くの方に来ていただき、会場の席は、ほぼ埋まっていて嬉しかったです。

映画の最後、エンドロールの曲が終わると同時に、松尾泰伸さんが同じ曲を生ピアノで弾き始めるという粋な演出。

鍋澤さんに捧げられた「nomi (祈り)」という曲は、後のトークでその意味を松尾さんがお話しされたのですが、それと知らずに涙したという人もいらっしゃいました。私も生演奏を聞いたときは鳥肌が立ちました。松尾さん、素敵な曲をありがとうございました!

できるだけ、会場でお話しするようにしているのですが、私が着ている衣装は、黄八丈の生地に黒い布地が縫い付けてあってその上にアイヌ文様の刺繍が施されている「二部式」です。本来のアイヌの衣装 (←リンククリックしてみてください)は、長襦袢のように長い着物です。

私が長年ホームステイしてお世話になっている川奈野さんのご近所の方が「尚美ちゃんにあげたいので、あちこちで着てね!」とプレゼントしてくださいました。

着物の刺繍は川奈野元子さん。

頭につけているのは「マタンプ」(←リンククリック!昔は男のものだったそうです)というはちまき状のもので、これはその方が着物に合わせて新しく作ってくださいました。

見て頂いたらわかりますが、全て手縫い。暖かい心のこもった世界に一枚しかないアイヌ文様の衣装。大事に着て、これからも、あちこちの会場で見てもらいたいと思っています。

それから、いつも会場で出来るだけ配布している小冊子があるので紹介します。アイヌ民族文化財団のご協力で提供して頂いているものです。この冊子はコンパクトですが37ページ。歴史・言葉・信仰・住食住・生業・芸能・アイヌ文化の現在。と多岐にわたって情報がまとめられています。

ドキュメンタリー映画の中では、出来るだけ様々な文化や歴史を散りばめたくて工夫したつもりですが、当然全てをカバーすることはできません。だから、この映画を見終わって、もうちょっと知りたいなぁと思って頂けた方に、有料のパンフレットじゃなくて、無料で家に持って帰れる何かがあると良いなぁとずっと思っていたのです。

それで、私が財団にお願いして、可能な時に可能な数だけ送っていただいているという次第です。財団の「アイヌ文化を学ぶ」のウェブページにも沢山の情報が出ていますので、ぜひ、チェックしてみてください!

2018年の上映が終わりました

あっという間に2018年が終わってしまいました。

2月末に撮影地の平取町で、関係者だけの完成前試写会をしました。

その後、4月30日に鍋澤エカシが完成前に急逝というショッキングな出来事がありました。2月の試写会で「よくやったな!」と鍋澤さんがかけてくれた言葉が支えになりました。

  • 撮影日:2015年3月29日
  • 鍋澤さんが好きなフクロウ。コタン・コル・カムイ (村を守る神)
  • 木彫りのフクロウの裏(2009年2月19日・鍋澤保)
  • 鍋澤さん手作りのパスイなどの棒

6月の大阪での音仕上げの日に地震、夏の北海道滞在中にも地震・・・と、色々と忘れられない事があった年でした。

でも、様々な方に支えられて、平取町で2日間の世界プレミア上映。大阪・神戸で劇場初上映。その後、鳥取で2回の上映の機会に恵まれました。

  • シアターセブンの上映前・立ち見も出る満席でした。
  • シアターセブンの舞台挨拶 溝口・川奈野ご夫妻・松尾泰伸さん・森岡健治さん(二風谷アイヌ文化博物館館長 | 写真提供:02MA RECORDS
  • 記念写真 森岡健治さん(二風谷アイヌ文化博物館館長)・溝口・川奈野ご夫妻・松尾泰伸 さん|写真提供:02MA RECORDS
  • 元町映画館上映後
  • ラジオ関西にも出演しました
  • 三上公也さん・溝口・木谷美帆さん

9月6日に起きた北海道胆振東部地震で、萱野茂二風谷アイヌ資料館のガラスケースがめちゃめちゃに壊れ、天井も壊れました。出演者である萱野れい子さんのご自宅もサッシや灯油缶などが被害を受けました。

大阪・神戸の上映会で支援金を呼びかけた所、復興支援金が591,213円も集まりました。早速、資料館に送金しました。
「お陰様で役立てる事ができました。天井や一部のガラスケースはまだ修復が必要ですが、なんとか目処が立っています。ありがとうございました」との事です。れい子さんのお宅も修復できたそうで、寒い冬になる前に間に合って良かったです。ご支援をしてくださった皆様、本当にありがとうございました!!

また、大阪ではアンコール上映もしていただき、神戸・大阪合わせて600を超える人に観ていただきました。

鳥取の琴浦町赤碕、米子でも100を超える人に観ていただきました。

また、神戸芸術工科大学でも、特別授業という形で生徒さんに観ていただく機会をいただきました。

特に宣伝マンも雇っていませんので、興味を持っていただける団体や劇場で、地道に上映活動をしていけたらと思っています。特に本州以南で沢山上映したいです。

口コミにご協力いただけたら幸いです。

今のところ、2019年は2月に東京での上映が決まっています。

今後もよろしくお願いします。

ドキュメンタリー映画の完成上映会をしました!

2015年から製作に取り組んできたドキュメンタリー映画「Ainu | ひと」が完成し、

6月30日と7月1日に撮影した現地で世界初上映会を行ってきました。

両日共に、100人近い来場者があり、トータルは205人。
初日の30日は、偶然ですが、4月に急逝した主人公の一人の月命日で、

地元ということもあって、とても特別な上映会になりました。

アンケートもお願いし、141人から回答をいただく事ができて、とても参考になりました。いくつか、感想文を抜粋いたします。

◎アイヌの歴史を知らない人にもわかりやすい映画でした。

◎アイヌ文化の勉強のつもりで来たのに、まさかで泣いた、感動。

◎川奈野さんの「和人に恨みはない、感謝感謝」のシーン、アイヌの方たちの心の温かさが良く現れたシーンでした 。

◎平取の宝物、北海道の宝物。日本の宝物ですね。

◎1人でも多くのアイヌのこうした記録を残す必要があると感じます。社会が、1人1人が、何が出来るのか考えるきっかけになる映画だと思いました。

◎自然の恵みに対しての感謝、人間も一生物として謙虚に生きていければと思った。「差別という時代もあったんだ」と事実を淡々と受け入れて語るシーンも印象に残った。

◎地元や道内じゃない方が先入観なしに作った映像で、政治的、観光や商業・経済的発展目的でないとても純粋なドキュメンタリーだと思いました。

北海道新聞やNHKの取材も受けまして、世界初上映会は、おかかげさまで、映画にとって良い形で終わる事ができました。

NHKローカルニュース

北海道新聞 7月1日記事

北海道新聞「ひと」欄 

今後も、自分のペースですが、少しずつ上映活動をしていきたいと思っております。上映に興味のある団体等をご存知でしたら、ぜひ、ご紹介ください。