「北海道」名付け親のドラマ

撮影は去年の夏、ちょうど私も平取町にいた頃でした。

有名な役者さん達が主演なので、警備がピリピリでしたが、NHKのドラマ班が平取町にやってきて北海道の名付け親である松浦武四郎のドラマを制作していました。

二風谷アイヌ文化博物館や萱野茂アイヌ文化資料館の敷地内にあるチセが撮影セットになったり、アイヌ語監修や儀礼儀式の所作、踊り、エキストラ出演などなど、たくさんの平取町町民や、北海道で暮らすアイヌの人々も協力しました。

主演は武四郎役に松本潤さん、アイヌの女性役に深田恭子さん、自身もアイヌ民族である宇梶剛士さんもメインキャストの一人として出演しています。全国放送で7月15日午後7時30分からの放送なので、ぜひ、ご覧ください。ドラマのウェブサイトはこちらです。

平取町出身、アイヌの20歳の女性が活躍中です!

オーストラリア、シドニーのジャパンファンデーションで、平取町出身の20歳の女性、関根摩耶さんが5月21日にレクチャーをしました。これは、4月12日から6月21日まで行われているLaura Liverani (ラウラ・リベラニ)さんの写真展「COEXISTENCES: PORTLATES OF TODAY’S JAPAN」の一環で、日本の様々な人々のポートレートが紹介されています。その中にアイヌの人たちも入っていて、摩耶さんや映画「Ainu |ひと」の主人公の一人、川奈野一信さんの写真も展示されているそうです。映画は、現地で6月6日に上映されます。

よく私も、若いアイヌの人たちは、どんな様子なのか?どんな事を思っているのか?と聞かれます。彼女の育った環境やアイヌのアイデンティティについての話もあるので、是非、聞いてみてください。

現地の講演の様子はこちら(最初は音が割れていますが、摩耶さんが喋る直前にクリアになります)

https://www.facebook.com/japanfoundationsydney/videos/453141485448928

SBSという現地のメディアでインタビューもされました。(記事は英語ですが、音声は日本語インタビューです。12分)

関根摩耶さんは、映画のアイヌ語翻訳と監修をして頂いた関根健司さんと、ムックリ(口琴)を演奏して頂いた関根真紀さんの娘さんです。私は2009年にシシリムカ文化祭の発表会で、当時9歳の摩耶さんが堂々とアイヌ語で発表していたのに大変感銘を受けたのを覚えています。

大学生になった摩耶さんは、アイヌ語のラジオ講師を1年務めたり、全国で初めてバスの車内で流れるの停留所案内がアイヌ語で行われることになった時に、アナウンサーに抜擢されるなど、大活躍中です。

また最近、アイヌ語会話を紹介するユーチューブチャンネルも始めました。アイヌ語やアイヌ文化を自然体で紹介して、「へぇ面白いなぁ」と思わせてくれるビデオなので、ぜひチャンネル登録してみてください!

アイヌ新法成立

4月19日、アイヌ新法が成立しました。大きな事なので、これはやっぱりブログにも記録しておこうと思います。

上の記事は朝日新聞。喜ぶアイヌの人々の声をフィーチャーしてるいます。一方で、ヤフーの記事では、下記の意見がフィーチャーされています。それぞれのメディアの視点によって発信の仕方が全く違う事を示す良い事例だなと思いました。

萱野茂二風谷アイヌ資料館・萱野志朗館長「先住民族の権利に関しては一切触れていない」
コタンの会・清水裕二会長「こんな状態で『法案ができました』と言われて『はい分かりました』なんて(言えない)。悲しいという気持ちしかない」

日本政府は、2007年に国連の「先住民族の権利宣言」を採択しています。(*リンクは、2008年の北海道大学アイヌ・先住民研究センターによる日本語翻訳文です)

私が初めて平取町に行ったのが2008年で、「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で採決されたばかりで、本件に関する有識者会議の報告会などが平取町でも行われていました。当時、私は日本はアイヌを先住民族と認めたのだと勘違いしていました。

この度の新法成立まで、採決から12年かかったという事になります。法律の事は、私は全くもって専門知識もなく、それを読むのも苦手ですが、具体的に、この法律がアイヌの人々にどのような影響をもたらし、日本の中で、アイヌ文化やアイヌ民族の権利に関する認識がどう変化していくのか、見続けていきたいと思っています。

様々なメディアをチェックするのは大変な作業ですが、私としては、様々な人、特にアイヌ民族やアイヌの事に実際に関わる人々の声に耳を傾けていきたいです。

二風谷コタンが新しくオープン!

4月、春になっていろいろな事が新しく始まる季節ですね。

二風谷アイヌ文化博物館の駐車場だった所と、その周辺が改修され「二風谷コタン」として生まれ変わりました!

「ウレシというアイヌ工芸伝承館もオープン!去年に行った時は、ずっと工事中だったので、次に行くのが楽しみです!!8月には大きな地震があって二風谷地区も平取町も大変でしたが、無事オープンして嬉しいです。アイヌ文化に興味のある方は、ぜひ一度行って欲しいです。

平取町観光協会二風谷アイヌ文化博物館にぜひ、お問い合わせください。

北海道伝統アイヌ工芸展で平取の女性が受賞!

またまた嬉しいニュースが届きました。

平取の女性お二人が揃って伝統アイヌ工芸展で、なんと最優秀賞を受賞!

お二人とも滞在中は、私もよくお話をさせていただいた方なので、個人的にもとっても嬉しいです。

貝澤寛子さん(写真左)は、サラニという袋に独自にアイヌ文様の刺繍をあしらわられて、とってもオシャレでクリエイティブ!川上ききょうさん(写真右)は、伝統の着物であるアットゥシをオヒョウの木の皮で作った糸で作られました。おめでとうございます!!

平取町から2人!文化庁長官賞受賞

昨年11月、平取町の木幡サチ子さんと貝澤雪子さんの受賞の話題を書きましたが、なんと、今度はそのお二人が揃って文化庁長官賞を受賞されるという素晴らしいニュースが飛び込んできました。

サチ子さんは口承文芸、雪子さんは織物。お二人とも長年、地道にそれぞれの分野で研鑽され、その実力が、国から評価されたのですから、本当に素晴らしい事だと思います。

ただただ、大拍手を送りたいです。おめでとうございます。

写真提供:関根真紀

木幡さんが北海道文化賞受賞

映画の主人公の一人でもある木幡サチ子さんが、道庁から「北海道文化賞」を受賞されました。そして、平取町にお住まいの工芸家・貝澤雪子さんもアットゥ織りで「伝統文化ポーラ賞」の地域賞を受賞。

サチ子さんの口承文芸は映画の中でもご覧になれます。雪子さんの見事な織り物は平取町の二風谷アイヌ文化博物館横の工芸館で是非、見ていただきたいし、購入していただける物もあります。他にも工芸家が沢山いらっしゃいます。詳しくは、「二風谷アイヌ匠の道」のページをご覧ください。