アイヌの踊りがオリンピックで披露されました

当初は、東京オリンピック・パラリンピックの開会式に出演する為に、練習も行われていたアイヌの踊りが、2020年冬に、時間の都合でカットされたと聞いて、がっかりしておりましたが、この度、マラソン競技が開催された札幌で4日間にわたって披露されました。

北海道の中でも、地域によって、アイヌの踊りや歌は、同じ曲でもちょっと踊り方や歌い方が違ったり、独特の踊りがあったりと様々です。

今回は、オリパラに向けて数年前から練習していたコアメンバーが、各地域の人々のリーダーとなってコーディネーションなどの裏方にも携わり、約80人が一堂に会するハレの日に臨みました。

手拍子と歌だけの素朴な地域の踊りも大好きですが、今回のように、オケバージョンで、演出された舞台芸術とも表現できる歌と踊りは、非常に新鮮でした。特に平取町の知っている人たちが生き生きと楽しそうに踊ってる姿には、感動してウルウルしてしまいました。

冒頭で男の人たちが振ってる、てっぺんだけ緑の木は何だろうと思って、知人に質問したら、タクサというお祓いに使う道具で、主に道東のものだそうです。平取ではヨモギが同じ役目を果たします。ステージ1〜5は同じ曲で、各地方の人たちが出演しています。各地域で、着物の紋様が違うので、チェックしてみてください。

STVのノーカットバージョンは、総監督の秋辺デボさんの解説や、曲目がテロップ表示されるので、内容を理解したい人にはオススメです。

世界に届け! アイヌ舞踊(STV札幌テレビ放送)説明付き

8月5日15:30~ ステージ1《苫小牧》

8月5日19:00~ ステージ2《札幌チーム》

8月6日 15:30 ステージ3《混成チーム》

8月7日 5:50 AM ステージ4《平取・浦河チーム》

8月8日6:00 AM ステージ5 《帯広・阿寒湖チーム》

こんなコマーシャルも!平取篇・東京&二風谷篇では、「Ainu | ひと」にも協力していただいた方々が踊っておられます!

木幡サチ子さんの最新映像

若い頃、4トントラックの運転手で女は私一人だった・・・というエピソードでいつも上映会では笑いが起こる木幡サチ子さん。アイヌ語教室の講師として、90歳になられた今も元気に活躍されています。

そのサチ子さんの最新映像がユーチューブで公開されていたので、ご紹介します。

アイヌ語の自己紹介とカムイユカ「カンナカムイ」雷の神様の物語です。

サチ子さんは、ビールが大好き!お土産を持って行くときは、できるだけ美味しそうなビールを選んでました。渡すと尚美ちゃんも飲みな、と言われるので、私も好きなんですが、運転があるので、いつも断ってました。でもある時、アイヌ語教室の何人かでバスで札幌に行ってトイレ休憩でコンビニに寄った時、サチ子さんが箱でビールを買って、みんなに振舞ってくださり、一緒に乾杯したのを思い出します。さすが!映画の中で一信さんから「このキップだべ」と言われるゆえんでしょ?カラオケも上手なんですよ。

また、一度は、ヤマメ釣りに連れて行ってくださり、ヤマメ三昧の食事をして、楽しいときを過ごしました。コロナ禍が収まって、再会するのを楽しみにしています!!

平取町の若い世代のドキュメンタリー

「Ainu | ひと」は、平取町に暮らす4人の80代前後の人たちにフォーカスして作ったドキュメンタリーです。若い世代については、敢えて触れませんでした。

ですので、映画を見た後、この古老達がいなくなったら、アイヌ語やアイヌ文化は途絶えてしまうのでは?と心配される方もいらっしゃいます。このブログの目的は、映画で触れていない事や最新ニュースを発信する事なので、今回、ぜひ多くの方に見て欲しい映像作品をご紹介します。

平取町には、若い世代で、アイヌ語やアイヌ文化を勉強したり発信している人や、工芸家がたくさんいらっしゃいます。その中の、1家族にスポットライトを当てた短編ドキュメンタリーが2作、ネット上で公開中です。(下記)このブログを読んでくださっている方には、見慣れた顔やお名前が出てくると思いますよ。「Ainu|ひと」の制作にも関わっている方々です。

「ラメトッコヤン」は2020年にニューヨーク・ジャパン・シネ・フェストで採択され、英語版が上映されました。「Happy Ainu」はラメトッコヤンで登場する関根さんと娘さんの事が描かれています。

監督は山田裕一郎さん。彼の他の作品を見たい方はYAHOO CREATORSをチェックしてみてください。山田監督は、私と同じインディペンデントの映像作家です。拡散することで間接的な支援に繋がりますので、応援をよろしくお願いします。

© RAMETOKKOR YAN | Yuichiro Yamada
@ Happy Ainu | Yuichiro Yamada

アイヌ語ラジオ体操|第1

アイヌ語版のラジオ体操が、アイヌ民族文化財団より公開されました!

体のねじれない所が、とっても可愛いキャラクターは、白い方が「トゥレッポん」。アイヌの重要な食料の「オオユバユリ」がモデルで、2020年にオープンしたウポポイのキャラクターです。

アイヌ文様のマタンプ(頭に巻いてる布です)をしてる方が、キュンちゃんというエゾナキウサギをモチーフにした北海道のゆるキャラだそうです。

元気なラジオ体操のお兄さんの声は、「Ainu | ひと」でアイヌ語の翻訳・監修をしていただいた関根健司さんです。

聞きなれたラジオ体操第一に、アイヌ語がとっても新鮮なので、ぜひ、試してみてください。出演しているのは、札幌大学のウレパクラブの学生さんです。

ウレパクラブはアイヌ語のLineスタンプも出してて私も愛用しています。興味のある方はチェックしてみてくださいね!

© Foundation for Ainu Culture
© Foundation for Ainu Culture

今年の秋も平取はイベント満載

先日、オンラインのイベントをご紹介しましたが、平取町では様々な参加型のイベントも秋に行われています。「Go Toキャンペーン」を利用して旅行に行きたい!という方にはオススメです。

ただし、くれぐれもコロナウィルスの感染予防や拡散にお気をつけ頂いた上で、ご旅行ださい。

▶︎Facebook/Instagramフォロワー合計1000名以上の方に1泊2日の平取観光ご招待!

11/14-15

11/21-22

▶︎ゴールデンカムイ謎解き宝探し「二風谷に眠る秘宝2」

10/3-11/1

▶︎二風谷アイヌ文化博物館・特別展「沙流川流域のウウエペケレ」*散文説話=普通の人間が主人公となり節をつけずに散文で語られる物語。

映画に登場する人たちのお母さん方も含め、貴重な映像や展示ご覧になれます。もちろん、ネイティブスピーカーですよ!

10/1-11/29

11/14 「特別展関連講座」講師:中川裕氏(千葉大学教授)

平取町のオンライン観光ツアー

コロナ禍で旅行するのを控えている方が多いかと思います。

そんな中、オンラインでバスツアーのようにアイヌ文化を探訪する新しい企画があるのでお知らせします。

申し込みをすると、平取の特産品(私も大好きな平取トマトのジュースも!)と旅のしおりが事前に自宅に届きます。時間になったら、自宅にいながら観光ガイドをしてもらえるという面白い試み。

平取だけでなく、オープンしたばかりのウポポイにもオンライン上で訪問できるようですよ!

1回、15組限定のようなので興味ある方は早めにお申し込みください

二風谷の女性3世代の記事

「Ainu |ひと」の中でも印象深いとよく言われるムックリ(口琴)を奏でていただいた関根真紀さんのご一家の記事です。

お母さんの雪子さんは、樹皮から糸を作って織るアットゥの名人で、文化庁長官賞を始め数々の賞を受賞されています。

娘さんの摩耶ちゃんは現在大学生。日常会話や料理の話題など、とっつきやすいテーマでアイヌ語のYouTubeチャンネルを続けています。

写真からもわかると思いますが、3人とも、とても明るくて素敵な女性です。

アットゥは、映画の中では、鍋澤さんが着物を着ておられますし、萱野れい子さんが、織物を教えているシーンでも出てきます。

上記の反物はオヒョウという貴重な木の樹皮です。映画の中では、シナの木から皮をはぎ、煮て乾かすところまでを紹介していますが、木の種類が違うだけで、プロセスは同じです。この後、糸作り、糸伸ばし、反物を織る作業、そこから着物を作るのは大変な手間と時間がかかります。

彫刻家・貝澤徹さんの記事

ウポポイの国立アイヌ民族博物館のために新作を作った平取町在住の貝澤徹さんの記事を朝日新聞で見つけました。他の作品も載ってます。彫刻家である徹さんの想いを読んでみてください。

ウポポイ開業の記事

   

9月3日の朝日新聞の記事です。説明文は、日本語ではなくアイヌ語が最初に書かれている事、差別に関するコメントなど、様々な視点で書かれているので、スクラップしておこうと思いました。

本文で北原教授が言っておられるように、「先住民の課題は、共に社会をつくる和人の課題でもある」という言葉に共感しました。

いま、世界中でBlackLivesMatterという黒人の人権を訴える運動が起こっていますが、すべての人が人種の壁を越えて一緒に考え、取り組まないと解決しない問題で、根幹は同じだと思います。

 

ウポポイがいよいよオープン

新型コロナウィルスの影響で、4月下旬からオープンが延期されていましたが、

ウポポイ(民族共生象徴空間)が、漸く7月12日にオープンしました。

ここには、国立アイヌ文化博物館や、アイヌ文化を知る体験型の様々な施設があります。

まだまだ感染防止の為に、予約が必要だったり人数制限などの対策が施されていますので、詳しくは、ホームページをご覧ください。

教育関係者用のページには団体や学校用の体験型プログラムもあって、面白そうだなと思いました。

オンラインショップではグッズの販売も始まっているようです。個人的には、施設内では売ってるカップとか持ち運び用のマグが欲しいなぁと思いましたが、これはまだオンラインショップには並んでなかったです。

Upopoyはアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」だそうです。

また、ウポポイから車で1時間ちょっと走ると、映画撮影の地、平取町に行けます。7月は毎週土曜日、8月は毎週土日に、13:30から二風谷アイヌ文化博物館の近くのチセでアイヌの人たちによる語り部の会が行われています。

新型コロナウィルスの影響を十分考慮された上で、お時間がある方は、是非行ってみてください!