東京・シドニーの上映は共に満席!

6月3日に東京の台東区、同じ週の6日にオーストラリアのシドニーで上映会が行われました。

東京の上映には300人、シドニーも95人が会場に足を運んでくださり、共に満席で主催者の方にも喜んでいただきました。アイヌの事に関心を持っている人がそれだけ沢山いるという事を示していると思うので、とても嬉しいです。

シドニーでは、日本人以外の方も沢山いらっしゃって、おかげさまでアンケートでも概ね好評をいただきました。上映会に行けなかったので、どうすれば映画をまた見れるか?という問い合わせもいただきました。

東京の上映会では、上映後にインターネットを利用して生で質疑応答をしました。ニューヨークと日本は夏時間では13時間の差があって若干不便ですが、やはり直接会場の方と話をするのは、とても参考になります。

今後、こんな情報を発信すればいいのだとか、こういう事に関心があるのだなという事がわかるからです。実際、「アイヌの事をもっと知りたいので参考になる本や映像があれば教えてください」という質問があって、色々と思い浮かびすぎて、とっさにいい答えが出てこなくて、後で、あぁこれを紹介すれば良かったと思ったりしました。

今後は、このウェブサイトでも参考になる本や映像などの資料などをご紹介するページを作りたいと思っています。

ページを作っている間に、ここで一つだけご紹介します。これは、いつも小冊子を提供いただいているアイヌ民族文化財団に載せてある映像で、口承文芸をわかりやすくアニメ化してあるものです。日本語訳がついたバージョンやアイヌ語のカタカナバージョンなどもあるので、一度、覗いてみてください。

その中から、今日は一つだけここに貼り付けます。アニメも良くできているし、音楽も付けて演出されていて、面白いですよ。

私たち現代人は、こうやって受け身で見るだけですが、文字を持たないアイヌ民族はこのような物語を、大昔に誰かが作って、口伝えで受け継ぎ、聞く人も、それぞれの頭の中でイメージを膨らませて楽しんでいたんですね。

このような口承文芸の中には何日もかかる長い話もあって、「はい、続きはまた明日!」という感じで終わるので、特に子供達はワクワクしながら、続きを聞くのを楽しみにして寝床に入ったのだそうです。

「北海道」名付け親のドラマ

撮影は去年の夏、ちょうど私も平取町にいた頃でした。

有名な役者さん達が主演なので、警備がピリピリでしたが、NHKのドラマ班が平取町にやってきて北海道の名付け親である松浦武四郎のドラマを制作していました。

二風谷アイヌ文化博物館や萱野茂アイヌ文化資料館の敷地内にあるチセが撮影セットになったり、アイヌ語監修や儀礼儀式の所作、踊り、エキストラ出演などなど、たくさんの平取町町民や、北海道で暮らすアイヌの人々も協力しました。

主演は武四郎役に松本潤さん、アイヌの女性役に深田恭子さん、自身もアイヌ民族である宇梶剛士さんもメインキャストの一人として出演しています。全国放送で7月15日午後7時30分からの放送なので、ぜひ、ご覧ください。ドラマのウェブサイトはこちらです。