大阪・和泉市で4回上映しました

鳥取市での上映の1週間後に、大阪の和泉市で2日間、4回上映の機会を頂きました。

こちらも、1年前に大阪・十三のシアターセブンでの上映に来てくださったNPO法人ダッシュの吉岡さんが1年かけて準備してくださいました。

NPO法人ダッシュとは、私が大阪にいる頃に「がんばるしきじ」という識字学級の映像制作を2001年に私の師匠の田中幸夫とした事があり、和泉市に来たのは、それ以来です。

吉岡さんが上映の合間に識字教室に連れて行って下さり、昔と変わらない手作りの垂れ幕や教室内の様子を見て懐かしい気持ちになりました。

上映会には、映画音楽の作曲家、松尾泰伸さんもすべての回に参加してくださいました。

ダッシュは、アイヌ刺繍のワークショップを開くなど、以前からアイヌに関する活動が行われています。

また、マイノリティや人権に関する映画上映も定期的にされているので、来場者は、テーマに強い関心がある方が殆どで、この映画を真剣に観てくださった事が、最後の質疑応答からも伝わってきました。中には遠くは静岡や徳島から来てくださった方、既に観るのが2回目で、「毎回発見があるので3回目も観たい」と言う人もいて、胸が熱くなりました。

また上映の合間に、ダッシュのスタッフが地元ならではの美味しいお好み焼き屋、葛葉伝説で有名な稲荷神社や聖神社など、様々な場所に連れて行って下さいました。またガラス工房「邦」で、奈良時代以前より、かつての和泉国でのみ製作されてきたという、地場産業の蜻蛉玉の制作体験もしてきました。球体にするのがすごく難しい事がわかりました。でも、とっても楽しかったです。

上映の最終回の後には、ダッシュの皆さんが買い出しに走ってくださり、スタッフや来場者の皆さんと歓談できた事もとても良い思い出となりました。

初めて作ったガラス玉!

2019年の秋は、浦河町・鳥取市・和泉市の3ヶ所で、地元の方々に助けていただき、暖かい上映会が実現した事を、心から感謝しています。

そして、秋晴れの休日に来場してくださった皆様、ありがとうございました。今後も、ゆっくりペースになるかもしれませんが、アイヌに関する様々な事を発信していきたいと思っているので、これからも、よろしくお願いします。

和泉市の参加者からの感想を一部ですが、下記、ご紹介します。

○アイヌ民族についての知識がほとんどない私にとって、大変勉強になる映画でした。アイヌ語をきちんと聞いたのも初めてで新鮮でした。

○最後の方で「日陰にいてもどこにいてもアイヌはアイヌ」とおっしゃっていたこと、その言葉に哀しみが深くこめられているようでちょっと泣けました。今のアイヌの人の暮らしを見れて良かったです。サステナブルという言葉よりも身近に学べる暮らし方なのではないかと思いました。

○知らない文化、同じ国の住人でありながら、映像の中には言葉も__なども日本文化の中で見るものと同じなのに、全く知らなかったなとおどろいたことが一番印象に残っています。

違う文化を持つ人と、どう交流し、仲良くなり、引き立てあえるかということを今日の内容を見て思った。人それぞれが自分の大事とすることを分かりあおうと思うことが、いつもスタートになってくれると思った。

○文化をリスペクトすることで、ヘンケンがなくなるといいネ。

○北海道や沖縄の歴史について少し知りたくなりました。みなさんいいお顔されていましたね。

○私が小学生のとき、学校に年に1度アイヌの方が来られて話や踊り、ムックリなど見せてもらいました。3年程見た記憶があります。木彫りの作品の販売もあり楽しみに待っていました。でもいつのまにかアイヌのことは忘れていました。又思い出し考えることが出来ました。

○アイヌ文化の伝承に努力している人々のことを知りました。アイヌの人々の特殊性に目を向けるのではなく、アイヌの人々の独自性を生かしていけるような社会にしていきたいと思います。

○昔から民族学に興味があり、南米に1年程住んでいた時に知ることもあり、日本の民族はどうなんだろうとずっと思っていた。今では刺しゅうに興味もあったので、今回映画は興味深かった。

 ○映像も音楽もきれいでした。「アイヌ民族」のことは知らないので、多くの人に見てもらいたいと思いました。監督の解説や実際のお話をしてくださったのは、よくわかって近く感じました。

○世界の○○族とか、先住民族とかが好きで、その方たちの手工芸や音楽、踊りとかが好きで、参加させていただきました。

何て言ったらよいかわかりませんが、ハートの奥がふるえて感動で最後涙がでました。継承されている方には尊敬の念があふれます。

○長老の言葉が重みがあり心に残りました。学校の授業でご紹介されると広まりよいかと思いました。

○知らないことばかりでした。とても美しく良い映画でした。多くの人に知ってほしいと思いました。

○ゴールデンカムイが好きで、アイヌ文化に興味を持った。面白かったです。

20歳のアイヌの女性と対談

11月23日に鳥取市で上映会と対談をしてきました。行楽日和の連休の日だったので、あまり人が来ないかも?と心配してたのですが、150人ほどの来場者があり嬉しかったです。

対談をさせていただいた相手は、平取町で生まれ育った関根摩耶さん。20歳の大学生です。私が初めて平取に行った頃、摩耶ちゃんは9歳でした。シシリムカ文化祭で堂々とアイヌ語の口承文芸を披露していて感銘したのを覚えています。対談の時に、その時に記録したビデオを少し初公開しました。映像を見たら、自分で自然にズームしてるので、それだけ印象が強かったのだなと思い返しました。

摩耶さんは、2019年春から、アイヌ語やアイヌ文化を紹介する楽しいYouTube「しとちゃんねる」を始めたり、国内外で講演したりなど、とっても活躍しています。しとちゃんねるは、短くて面白くて見やすいのでぜひ一度、見てください。(こちら)のブログの投稿では、オーストラリアで摩耶さんが喋ってる様子も紹介しています。

この上映会は、2018年に鳥取県の赤崎での上映会で出会った三谷昇さんが1年かけて企画してくださり、実現しました。偶然なのですが、三谷さんは平取町の二風谷にかなり前に行かれて、アイヌ文化保存会や二風谷アイヌ文化博物館の方とも知り合いだったそうです。

地元からは、ボランティアの方々が来場者に配る資料の作成や受付などを手伝って下さいました。いつも思うのですが、このように自主的に企画してくださる上映会は本当に温かみがあって良いなぁと思います。

三谷さんも前日入りした夜から歓迎会や交流会の場を設けてくださり、おかげで地元の方々とも様々な話ができて良かったです。摩耶ちゃんともゆっくり話ができました

三谷さんは、鳥取砂丘や期間限定展示(1月5日まで!)の砂の美術館20世紀梨記念館・なしっこ館、断崖絶壁に建てられた三佛寺投入堂など、様々な所を案内してくださり、鳥取の魅力を知る事ができて良かったです。三谷さん、何から何まで、本当にお世話になり、ありがとうございました!